第5章 重要性プレイス
触手が私に聞いてきた
『どうなりたい』と
私は答えた
『もっと強くなりたい』と
隙のない、弱さのない自分でいたいと
皆から認められる存在でいたいと
自分を隠しとおせる強さがほしいと
願った
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シロは目覚めた私に言ってきた
『ずいぶん器用な仮面を持ってるようだね』
『今日みたいに、クラス皆を巻き込んだ暗殺は何回でもやるよ』
『殺せんせーを殺すためなら、多少の犠牲なんて政府も許すだろう』
いろんな言葉で私を揺さぶる
その言葉を聞きたくなくて、押さえ込もうとして、両手で頭を抱えてうずくまる
聞くな
何も聞くな
この人はイトナくんを使って……
クラスを巻き込んだのだってこの人が……
『やれやれ、中々殺気を沸かせてくれないね。じゃあ、これはどうかな』
!
目の前に写し出されたのは私だ
私の映像だ
『可愛い笑顔だね。これで皆を騙してるんだ?』
『違う!違うの……!私は……』
『弱さを見られたくないのかい?だからって、仲間を騙すのは酷いね』
『っ……違う…………』
やめて、やめて
私は……ただ
そこから、何を言われたか
想像、できもしないだろう
ただ、きっかけとしては……きっとこれ
『強くなりたくないかい?』
私は、誘惑に負けた