第5章 重要性プレイス
痛い
苦しい
痛い
私は、何をしていたんだ
自分まで騙して、何を
真っ暗な思考に、問い掛けても問い掛けても
自分が答えてくれない
触手がそれを全部、塞いでる
私は、強くなりたかっただけなのに
こんな強さじゃなくて、弱さを隠す強さが
私を返して、ねぇ
貴方じゃ私の望みは叶えられないの
だから返して
「ぅ……!」
「雪乃」
「!……か…………る」
カルマ……?
どうしよう、痛みで声が上手く出せない
「あっ…………」
「大丈夫、ゆっくり……言ってみな。一回で、全部聞くから」
ぎゅっと、体が抱き締め、抱き寄せられ……包まれる
その優しい声が、真っ暗な思考に響く
「……わ、たし…………っ」
痛い……背中が、痛い
呼吸するたび、連動するように……痛い
「つよく……なり、たくて…………よわ、いの…………嫌で」
「強さが、ほしかったんだね」
「……うん」
誰にも、見せたくなかった
弱いところ
強くいて、強くいたくて……強くいたなら
また、誉めてもらえるって
私の居場所が、帰ってくるって
パパとママが……私を、認めてくれるって