第5章 重要性プレイス
簡単に言えば、こいつは触手に負けた
触手の殺意に負けた
心身ともに疲れてた雪乃は、触手による心への侵食に耐えられなかった
シロは、それが目的だった
「……嫌いになっちゃうよ、雪乃」
「!」
耳元で呟くと、俺の首から手が外れた
「や、あ……あぁ……」
そのまま額を押さえるように後退すると、地面に崩れた
「雪乃!」
「ぁああ!痛い……!痛い!やめて!!私っ……私を」
私を返して
「うぅ……あぁぁああ!」
「間宮さん!早く触手を抜かないと!拒絶反応が起きてます!」
ダメだ
雪乃が触手の殺意に勝たないと、先生は近寄れない
「カルマくん!」
「渚、くん……?」
声に反応して向くと、怒鳴るように叱咤する
「間宮さんは頑張ってる!カルマくんに嫌われたくないから!!カルマくんがやらなきゃ誰が間宮さんを助けるの!?」
「っ……」
渚くんがそれを言うか
ほんとは、自分が助けたいくせに
頭を切り替えて、俺は彼女に歩み寄った