第5章 重要性プレイス
「中村ちゃん、お先においとまするよー」
「わかった。気を付けるんだぞー」
「はーい」
着替えが早く終わって、私は皆より先に出た
パタパタと襟元を扇ぎながら、歩を進める
夕方いえど……まだこの時間でも暑いなぁ……
あんまり暑いのって好きじゃないんだよな
汗かくし、なんか体力減るし……なにより衣服で調節できないのが尚辛い
はぁ…………私きっと沖縄とかで暮らせないタイプの人間だ
脳内で自分に呆れてると、自分の耳が音を拾う
パキ……
木の枝……?
いったい誰が……
草木を避けて音のした奥に進むと……
「!?」
「やぁ、さっきはどうも間宮さん」
「なん…………んん!?」
なんだ……この香り
薬品……か
それを理解したときには、私の瞼は落ちていた
「いい”材料”が手に入った」