第5章 重要性プレイス
「はぁっ…………げほ!」
何してくれる寺坂くん
一発でも殴んないと気がすまないぞ
咳き込みながらも助けてくれた恩師の姿を崖から確認
シロと、イトナくん
あの水……ただの水じゃないんだ
ハンデが多すぎる……
それに、原さんも庇ってるからなおさら…………
考えていると、誰かがこちらへ走ってくる
「やっと見付けた、雪乃、仕事だよ」
「カルマ……なんか久しぶり。仕事って……?」
「簡単だよ、俺の言った通りにからだ動かして」
?
立ち上がったわたしに彼は笑いかけ
手を差し出す
「信じて」
……何を今さら
私はそう思いながら手を重ねた
「仰せの通りに、指揮官様」
・
・
・
さて、寺坂が良い具合にやってくれたから……
一斉攻撃の前に注意を反らす
そして
そのための……
「……いいよ、雪乃」
横を黒髪が横切る
真っ白な肌が落下して
寺坂とイトナくんの間の触手を水に叩き付ける
粘液の取れた触手は動きが鈍くなって……例え他のやつらが落ちてきても咄嗟に反応できないだろう
皆に指示をだし
続いて水しぶきをあげる
そんな中、黒髪は振り返って微笑む
「いかが?」
「完璧」