第5章 重要性プレイス
いつもの口調だけど、ちょっと不機嫌かな
頭上の声で判断する
「雪乃、もう立てるね」
「あ、あぁ……うん。平気」
パッと掴んでた手を離して後退
カルマは逆に前進
「てめぇ、喧嘩売ってんのかよ?」
威嚇モードの寺坂くんはその変化には気付いてないんだろうな
諦めたように息をつけば、案の定……
口を押さえ付けられてる
「ダメだってば寺坂……喧嘩するなら口より先に手ぇ出さなきゃ」
「っ!」
あぁ……バカだ
カルマ相手に口喧嘩は通用しない
私はともかく、武力行使の方が可能性として大だ
そのまま、寺坂くんはカルマを振り払って教室を出てった
「殺虫剤……なのかな。これ」
「本人に聞きゃいいじゃん」
「戻ってくるわけないでしょ」
缶を拾って見てみるけれど、それらしい表記がない
お手製……?
「それより、間宮さん。至近距離でしたが大丈夫でしたか?」
「うん、律、大丈夫だよ」
「カルマの反射神経のお陰だな」
「それと良い具合のサイズだったのもあるかもねー」
「中村ちゃん!それは言わないで!」
全力で抗議したのは言うまでもない