第4章 真似っこミステリー
渚はナイフを受け取った
対先生用じゃない……本物のナイフを
「渚……大丈夫かな?」
「大丈夫だよ、茅野ちゃん。渚を信じて」
「でも……」
「渚は男の子だよ。強い、だから大丈夫」
言い聞かせて、目を閉じる
ざまぁないね、私
やっと自分の才能の使い方、わかってきたのに
まだ渚に勝てないんだ
暗殺の才能には……これじゃ勝てないんだ
「……ざまぁみろカルマ」
小さく呟いて、目を開ける
貴方は友達のスゴいところを見れないんだ
無害な小動物だなんて思っちゃダメだよ
貴方よりも、渚は強いかもしれない
最初の殺気のない穏やかな表情とはうって変わって……
蛇のごとく、渚は相手を引っ捕らえる
勝ちだね、渚の
私たちE組の勝ちだ
まぁ、最後の最後で逆ギレした鷹岡先生を追っ払ったのが
理事長先生なのは少し……気に入らないけれども