第4章 真似っこミステリー
「えぇ!?雪乃って彼氏居たこと無いの!?絶対に居そうなのに!!」
「あはは、見誤りすぎだよ。私そういうのよくわかんないから」
紅茶を啜り、微笑む
ガールズトーク、というのも、何だか新鮮だなぁ……
一人で居た方が気楽、っていう考えがあったからかも
「でも、そう考えたら雪乃のこと好きな男子って可哀想。アピールしても気付いて貰えないんだもん」
「そんなたくさん私を本当に好きな人なんて居ないよ」
「そうかなぁ。可愛いのに……」
「倉橋ちゃんと中村ちゃんには敵わないなぁ……」
私は容姿に恵まれただけだよ
中身は恵まれてなんかいない
当たり前か、内気な印象を強制的に強気にしてるんだ
中身なんてもうごっちゃごっちゃ
自分を押さえ込みすぎて、まさしく死んでしまいそう
この瞬間も、きっと私は私であってない
誰か何て忘れた
それが全ての謎
どこかなんて忘れた
それは全ての不思議
自分で知らないから、その型を知らない
皆わからない
だけど皆知ってる
それが私
都合の良い人間
不思議だから怖い
私は一体誰を真似てるのか
自分はどこにいるのか
全部、絵空事にすぎない