第4章 真似っこミステリー
日暮れが早い訳じゃないけど
あんまり中学生が出歩くものじゃない
それに、ここ最近彼を引き留めてばかりだ
流石にこちらとしても申し訳が立たない
「……私たちは変な関係だったから、距離感がいまいちわかんない。それが原因かもしれないけど、勘違いされがちだ……」
そう、行く末の末路の誤解
皆が思っているような関係に、私たちはなり得ないんだ
私は知りたくないんだ
この感情の末路を
「私は貴方が嫌い……でももういいの。許せると思えたから。貴方の私が嫌いな行動が……私を私と提示してくれたから」
「……というと?」
「だからね、もう……私を抱き締めてくれたり、手を繋いでくれたり、涙を止めてくれなくて良いんだよ。カルマに……色んな意味で迷惑かけたから」
少し微笑むと、一瞬……一瞬だけ、カルマが憂いた目をした気がした
本当に一瞬だったから、定かではないけど
次の瞬間にはいつもどおりの目に戻っていた
だから私は深く考えなかった
「互いが要になってる部分がある……それを取り除こう?そうしたら……私たちはちゃんと友達に…………親友になれる気がする」
「…………あぁ、友達は認めてくれてたんだ?」
「友達として、って……怒ったことあるでしょ」
「うん。……親友になる、が……雪乃の望んだ最終関係……なんだね?」
「そうだよ。私が今望む関係……私はね、迷惑かけたくないんだ。"ありがとう"じゃもう足りなくなってるの。迷惑をかけすぎた証拠だよ」
もう、ありがとうじゃ嬉しくないでしょう?貴方も
言い過ぎると本当に感謝されてるのか疑っちゃうでしょう?
「"ありがとう"より、嬉しい言葉。"ありがとう"より言われて嬉しい言葉って……ある?」
「……なくね?」
「"ありがとう"の上の言葉があったら良いんだけどね。本当は」
そう言って笑い、歩き出す
暖かいような、生ぬるい風が吹き渡り……私たちの間に裂き入った