第2章 想い
「お、女嫌い?」
深琴「…聞いてませんでしたか?誠は、女嫌いとまではいかなくても、女性が苦手だったんです。」
「そう…なんだ」
驚きを含みつつそれだけ口にすると深琴くんは、はぁ、とため息をついた後言った。
深琴「とにかく、そんな貴方達の関係を見せて欲しいんです。だから、お友達と会う条件にしました」
深琴くんはそこまで言うと前髪にかかっていたピンをさっと取った。
前髪を下ろした彼は誠ととても似ている。
間違い探しのようだ。
違いと言えば、深琴くんの方が、瞳が少しだけ茶色くてくりっとしていることくらい。
「でもなんでそれを私に…」
それこそ別に打ち明けなくくてもいい情報で、むしろ言わない方が自然体の私たちを見れるのではないだろうか。
深琴「………気まぐれですよ。それに」
深琴くんは不自然にそうつぶやくと、それとほぼ同時に誠が待ちきれなかったらしく、様子を見に来た。
だから、その後に深琴くんが続けて言った言葉を知るのはもう少し後のお話。