第3章 悪戯に *
誠「何話してたの?深琴と」
誠が疑うような声色で聞いてくる。
「えっ、えーとっ。ざ、雑談だよ!」
なんとなく関係性を聞かれていたと正直に答えるのが憚られ思わず言葉を濁してしまう。
誠「…ふーん」
その言葉に明らかな不満を表すと誠は私の腕をぐい、と引っ張り、薄暗い路地裏へと連れ込んだ。
「きゃあ!?」
誠「なら、言うまで待ってみようかな?」
意地悪く笑うその瞳はいつもの誠ではなく、私が何度か目にしたことのある妖しく艶やかなあの瞳だった。
覚えのある先の行為を期待して私の身体は思い出したように熱くなる。