第19章 芸能界の王子様
絶句。
吉井さんってそんなすごい人だったんだ。
私、そんな人にスカウトされたんだなぁ…。
戸惑いと驚愕で目を見開くと、爽やかな笑顔を貼り付けた神崎さんが声をかけてくれる。
神崎「吉井さん、教えてなかったんですか?
びっくりしてますよ、ちゃん」
ちゃん!?
吉井「教えてませんでしたっけ…
それはすみませんでした。」
気難しそうに眉を潜めて吉井さんが謝る。
そして、ハッとしたように吉井さんは指を鳴らした。
吉井「神崎さん!
今から撮影取りですよね?」
神崎「え?
はい、そうですけど…」
吉井「宜しければこの新人さん、見学させて欲しいんですよ!」
「ええ!?」
私の驚く声が室内に響き渡る。
そ、そんないきなり!
神崎さんだって困るでしょうに…