第18章 モデルのお誘い
無情にも、私の眠りは妨げられた。
それは無機質な電話の着信音。
「ん…誰?」
着信相手は…フリーダイヤル。
きっとセールスか何かだろう。
私は霧がかる脳でそう考えると着信が切れるまで布団の中でもぐることにした。
しかし一向に収まる気のない着信音。
私は少し苛立ちながらも荒々しく携帯を手に取った。
「はい…」
セールスならぶつ切りしてやろうなんて考えながら電話に出ると。
「お久しぶりです〜!
べネールプロダクションの吉井です!」
明るく元気な女性の声が響いた。
べネールプロダクション…?
私は覚えのない名前に困惑しながらも懸命に記憶を辿るがやはり聞いたことがない。
「どちら様ですか?」
「ええええ!
なんですかそれ!!
前にお電話したじゃないですか!?」
前に…?
私は唸りつつもまた思い出す。
べネールプロダクション…
「吉井さん…?」
吉井吉井吉井………
あ!!!
衝撃とともに記憶が蘇る。