第7章 会合
自らふたりを連れてきたのに忘れるなんて失礼な話だと自分でも思う。
そんな私を誠が答えを急かすようにちらりと見た。
「う…」
それは、そのつい焦ってしまったと申しますか。
拓「まぁ俺はおまえといれるならなんでもいいけど…。…いや、やっぱそいついらねーわ」
「た、拓先輩っ」
拓「…そう言えば誠のことは呼び捨てなのに俺のことは先輩呼びなの気に食わねーな…」
「ひゃ!?」
手首を掴まれそのまま肩の横で固定される。
拓先輩の唇が耳元までゆるゆると近付くと、低く掠れた小声が私の脳を甘く刺激した。
拓「拓って…呼んでよ」
「!!」
頬が急激に熱を持つのが分かる。
優菜だって、深琴くんだっているのに……!
拓先ぱ……拓のばか!
心の中で彼をご希望通りの名で呼ぶと短く責める。