第6章 不規則な予感
デートは甘酸っぱい青春の香りを匂わして終わるはずだった。
…そう、
「あれ、?」
「…………拓先輩?」
拓先輩と会うその時までは。
拓先輩、悠斗、直樹、誠の4人は、1度だけ顔を合わせたことはあるけど、お互いが、私の薬の面倒を見ているということは知らない。
彼らは他にも薬の理解者がいるのだろうとは分かっていても誰かまでは知らないということだ。
私は彼らが顔を合わせた時、実は全員薬の理解者なのだと告白しようかかなり迷った。
けれど、結局は言わずに終わった。
言った方が良かったのかな…
でも、そういうのってプライベートな話じゃない?
一人一人に確認を取ってから言えばいいのかな。
それでもやはり躊躇してしまうのはほかでもない私自身のため。
「うーん…」
そんなことを考えていると自販機から帰ってきた誠と目が合う。
誠「お待たせー…って、あれ。
その人はこの前の…」
お茶を片手に持った誠が不思議そうに問う。
生茶より十六茶が良かったなあなんて考えていた私はその言葉にハッとする。