第16章 いつもの笑顔【千代松万太郎】
菜々海「ばん、たr…!?」
そっと抱き寄せられた。
え?
どう…、して?
なんで、なんで…
泣いてるの…。
声が…。
声がでない…。
いつも笑顔が壊れた…。
万太郎「菜々海。菜々海…。」
菜々海「うん。うん?」
万太郎が泣いてそれにつられて私も泣いている。
いつもの笑顔に隠れてた万太郎の気持ちが知りたいよ。
菜々海「万太郎、一旦家に帰ろう?」
万太郎「そうだね。」
私は万太郎の手を握る。
触れて確かめていないと万太郎が遠くに感じてしまう。
家につくまで無言の私たち。
家の前でやっと万太郎が口を開いた。
万太郎「いつもの公園に行こう。」
菜々海「うん。いいよ。」
小さい頃。
2人だけで遊びに行った公園。
夜はほんとに誰もいない。
今の私たちには好都合な場所だ。
万太郎「菜々海。」
菜々海「なに?今日はたくさん名前呼んでくれるね。」
万太郎「俺のことどう思う?」
菜々海「え?」