第27章 *秘密 【黛静馬】
私は静馬さんには勝てないと再認識した。
いたずらが成功した子どものように笑う静馬さんを眺める。
仕返しという訳じゃないけれど静馬さんに不意打ちのキスをする。
静馬さんは一瞬だけ驚いた顔したけどそのあとは何故か満足気な表情をしていた。
そして、二人で微笑みあった。
静馬さんとするこの行為はうちからしたら夢のような時間なんだ。
だから、幸せいっぱいで寝たくなくてこの時間がずっと続けばいいのにって思うんだけど体は正直だ。
一回静馬さんに抱かれれば直ぐに睡魔が襲ってくる。
なんとか耐えられても静馬さんの抱擁と子守歌の前では手も足も出ない。
静馬さんが息を吸い込んでゆっくりと歌い出す。
静馬さんの綺麗な声…澄んだ優しい声の子守歌を聴く。
そして、最後の悪足掻きをしてみるけれどやっぱりダメでそのまま瞳を閉じた。
そこからはあっという間で意識をあっさりと手放す。
最後になんとか静馬さんが言ったことを聞いて…夢の中へと意識をおとす。
静「おやすみなさい、 菜々海。」
おやすみなさい、静馬さん。
優しさと温もりに抱きしめられながら眠った。
静馬さん、大好きです。
END