第10章 3年ズ【支倉ヒース&久我恭介】
しかも、1つじゃないし。
そっと手が離れる。
ヒースと恭介を見る。
あの頃の目をしてる。
KGB事件があってからスト部は衰弱していった。
たぶん、KGB事件だけじゃない。
巴がいなくなったっていうのも1つの理由だと思う。
今日、スト部のみんなで遊んでて思った。
元通りには絶対出来ないんだって。
無意識のうちに顔に出てたんだ。
無駄に敏感なんだよな、そうゆうところ。
元通りにはできないかもしれない。
でも、ダイアンさんが言ってたように暗い青の時代は終わり。
輝く白の時代になったんだ。
ヒース「菜々海。なんで泣いてんだよ。」
ヒースの言ったひとことに私は驚いた。
目から大粒の雫がこぼれていたから。
たぶん、安心したんだ。
どこかでまたスト部が壊れるんじゃないかって思ってた。
奈々、陸、尊、穂積、歩の顔を見てもう壊れることはないって思えた。
でも、まだ完全に安心出来てなかったんだ。
安心させてくれたのは、ヒースと恭介の温かくてて大きな手のおかげ。
ヒース、あの日からスト部を守ってくれてありがとう。
恭介、またスト部に戻ってきてくれてありがとう。