第23章 * 君のそばに…【久我恭介】
インカムから聞こえるヒースの想い(声)。
ヒ「(ぜってぇ、菜々海を連れ戻す。)」
バカヒース。
インカムから指示を出す。
あの時のように。
貴「ヒース!楽しめ!」
ヒ「おう!」
陸「(はやっ!)」
奈「小日向先輩、セット。3、2、1、Go!」
穂「りっくん!」
陸「たのんます!」
穂積が150走ったところで恭介に繋ぐ。
ヒースもかなり限界だ。
貴「恭介、2秒遅れ。3、2、1…Go!」
インカムから手と手のぶつかる音がした。
恭「あとは任せろ、ヒース。必ず菜々海を連れ戻す。」
貴「2人共バカじゃないの…。」
奈「藤原くん、3、2、1Go!」
最後は尊との闘い。
いつの間にか叫んでいた。
貴「負けないで!恭介ー!!」
恭介が笑った。
ぐんぐんと速度が増す。
ゴールテープをきったのは…恭介だ。
恭介に泣きながら駆け寄る。
KGB事件のあと、私達の関係は幼馴染みではなくセフレだった。
もうムリだ。
ずっと言わないって決めてたのに。
許して…。