第1章 ~第一章~その後の二人
「…っ、いってぇー…お前なぁ…」
ユヅキ「ごめんなさい…っ!!アラン、大丈夫…?」
(だから気を付けろって言ったのに…)
そう思いながら呆れて溜め息をつくと、不安に瞳を揺らしたユヅキが俺の顔を覗きこんできた
「お前、人の心配してる場合かよ……それより、ユヅキは怪我してないか?」
ユヅキ「…私は大丈夫だよ、アランが守ってくれたから…」
そう言って僅かに頬を染めながら微笑むユヅキを見て、アランもつられてふっと微笑んだ
(こいつには本当、敵わないな…)
「…そうかよ、良かったな」
そう言って優しく頭をポンポンと撫でながら、湖に落ちる前のことを思い出してユヅキに尋ねた
「…ところでお前、湖を覗きこんで何してたんだよ?」
ユヅキ「実は…お気に入りのネックレスを落としちゃって…でももうどこかへ流されちゃったみたい」
そう言って眉を下げ苦笑いするユヅキを見て、溜め息をつきながらアランはユヅキの手を引いて立ち上がらせた
「…とりあえず、このままじゃ風邪引くから一度、近くの宿に行くぞ」
そう言ってまた二人で馬に乗り、宿へと向かうのだった