第2章 ~第二章~不器用な愛情
「…あっ、ありました!あの建物がそうですよ」
私が指差した先には、彼が行きたいと言った森の近くにあるこじんまりとした薬屋があった
ソルジ「ありがとうございます。助かりましたよ、プリンセス」
そうしてにっこりと微笑んだ彼から先程と違い、熱の灯った視線を感じた
「いえ、どういたしまして。…それにしても何故、私がプリンセスだということを…?」
ソルジ「…それは私達が以前、お会いしたことがあるからですよ」
「え…?」
その瞬間、彼へと抱き締められ、唇へと性急な口づけを感じた
「―――っ!?んーっ!」
何とか体を押し退けようとするも、手首を取られ、あっさりと縄で拘束された私は引き摺るようにして森へと連れ込まれて行った
―――――……
どれほど奥まで来ただろう。逃げられたとしても、帰り道すらわからないほど森の奥深くまで私は連れて来られていた
「離して下さい!私、アランの元へ帰らなきゃ…!」
ソルジ「…そんな名前は聞きたくない!」
(―――っ!…この人、アランのことも知ってる…?)
そうして考えていると、次は首筋へねっとりと舌の這う感覚がして、私は思わずびくりと身体を震わせた
「―――っ!!イヤっ!助けて、アラン!」
涙を浮かべて叫ぶもアランに届くことはなく、私の声を森のざわめきがかき消していった