【HUNTER×HUNTER】漆黒人形〜ドールな薬師〜
第7章 2次試験・後編
「なら行こうか」
「ん、そうだね」
「ええ」
先を歩くクロロさんやシャルのあとを追おうと身動きすると。
「ぁ…」
服と肌が擦れ、変な声が漏れてしまった。
慌てて口を塞ぐが時すでに遅し。
「な、何?今の声」
「恐らくは薬の効果だな。
少し身体を休めるか?」
「い、いえ…大丈夫です。
手持ちの解毒剤飲むので」
「そうか」
懐から瓶を取り出したのは良いが、上手く手に力が入らずなかなか開けられない。
「貸して、開けるよ」
「あ、ありがとうございます」
シャルの言葉に甘え、瓶を開けて貰った。
そして中の透明な液体を口に含む。
「ん…」
喉を通る冷たい感触が気持ちいい。
「少し休憩しようよ。
まだ時間あるし、ね?」
「それもそうだな」
「すみません…」
私のせいで脚を止めさせてしまった。
「もう少し先に休めそうなところが見えるけどさ、そこまで歩けそう?」
「平気です」
「無理はするな。
シャル、担いでけ」
ポン、と頭に手を置かれた。
たったそれだけなのに声が漏れてしまいそうになるのを必死に堪える。