【HUNTER×HUNTER】漆黒人形〜ドールな薬師〜
第7章 2次試験・後編
「そんなことしたってダメだってば、もう遅いもん。
それは人体の熱に反応して溶け、皮膚から吸収されるの。
どう?
なんだか身体が暑くなって来ない?」
ニヤニヤ、と嗤う。
言われて自分の身体の違和感に気づいた。
身体が、というより身体の芯が熱を持ち始めているということに。
「これはね、強力な媚薬なんだ。
どんなに不感症な人でもトロトロにしちゃう、魔法のクスリ。
超即効性なのに効果は絶大かつ長時間。
最高でしょ?」
もうこれで終わり、とばかりに気を抜いている彼女の背後に回り込むと首筋に1発手刀を叩き込んだ。
「かっ…は…」
衝撃を受けた対象の身体はゆっくりと、だが確かに地面へと向かって行く。
数秒とかからない内にドサッという身体の落ちる音が聞こえた。
「気絶させました。
これで勝負は私の勝ちです」
薬について語り始めた彼女は実に隙だらけだった。
「あとはクロロさんだけです」
「あぁ、すぐ終わらせるよ」
クロロさんは残ったリーダー格の男と臨戦態勢に入った。