【HUNTER×HUNTER】漆黒人形〜ドールな薬師〜
第18章 自覚と無自覚
「前に仕事でね。
魔薬って言われてたんだけど、確かめようがなくってさ。
凝を使ってもオーラの名残すら見えないし。
正直偽物だと思ってるんだけど」
「ええ、偽物です」
「あ、やっぱり?」
作った本人が間違う筈がない。
「本物と偽物ってどうやって見分けるの?
凝を使うしかない?」
偽物を指で弄びながら尋ねる。
「それもありますが。
1つだけ簡単かつ確実な方法がありますよ」
「どんなの?」
「少し偽物を貸していただけますか?」
「いいよ」
「偽物は…」
シャルから受け取ったソレを持つ手の力を、なんと躊躇いもなく抜いた。
「あっ…!」
パリンという音を立ててガラス瓶は粉々に砕け散り、中の透明に液体は静かに地面に水たまりを作った。
「偽物は簡単に割れます」
無惨な姿へと変わり果てたソレに視線を落とす。
「そりゃ割れるってば!
ガラスなんだから」