【HUNTER×HUNTER】漆黒人形〜ドールな薬師〜
第16章 調査
「………。
リア、今ここで “ 練 ” 出来るか?」
練…。
「はい」
そう言われてとっさに発をした。
「おいおい、そりゃ発だろ?」
オーラに負けじとウボォーギンさんが声を張った。
元から声量がない訳ではなかったけど。
「あ、すみません」
指摘され、ある種の間違いに気づく。
「練をしろ、とは鍛 “ 錬 ” の成果を見せろ。
つまりハンター用語で発をしろ、ということなのでつい…」
オーラを抑え、素直に謝る。
「発を見た限りでは特に思うことはないがな。
円を出来るか?
この空間だけで良い」
「私は大丈夫ですけど…」
そう言ってシャルに視線を向けた。
「だ、大丈夫だよ。
俺団長の後ろに行くから」
後ろに行ったところで円から逃れることは不可能だけど。
それが気休めになるのなら。
「すーっ…はぁ…」
神経を集中させ、円を発動させた。
目で見えないものが直接肌に伝わって来る。
皆さんがここに居る感覚、流れ出ているオーラが私の肌や脳を刺激する。