【HUNTER×HUNTER】漆黒人形〜ドールな薬師〜
第16章 調査
円のオーラをより感じ取る為か、それともその技術を盗もうとしているのか。
円の発動と同時に静かに目を閉じたクロロさん。
そんなクロロさんに気づけたのは私だけのように思えた。
円に、つまり相手の “ 領域 ” に入った、という危機感、そのオーラに飲まれそうになる感覚。
それらに翻弄され、周りを見る余裕のない蜘蛛。
「なるほど…確かに凄いな。
暗く、重く、深い。
飲み込まれるという表現は理解出来る」
こんな状況下でも平然として居られるのが頭(トップ)だ。
「ふぅ…」
円を解いた。
わずか1秒足らずでの発動と解除。
それらの難しさを知り得るのは同じ土俵(フィールド)に立つ者だけ。
末恐ろしいな…。
短時間での発動と解除。
その精度と範囲。
オーラの威圧感と集中力。
円に必要な技術については分からないが、恐らく相当な努力の賜物か。
魔薬師リア。
またの名を死神のリア。
直接相対したことのある極1部の能力者が口を揃えて言う異名。