第16章 調査

アジトに着くまでシャルはずっと無言だった。


「それで、どうだった？」


「構図、人員、保管場所の把握は出来ました」


「そうか。

…して、シャルはどうしたんだ？」


無表情というか、ほとんど放心状態にあるシャルに視線を送る。


「私には分かりません。

ずっとこうなんですよ」


「フェイ、何があった？」


「シャルはリアのオーラに酔てるだけよ」


「酔う？」


理解追いつかず、問い返すクロロさん。


「シャルはリアのオーラ近くで浴びてるよ。

深くて暗い、闇のオーラを。

ただそれに飲み込まれかけただけね」


闇のような、か。


「あ、はは…ごめん。

なんか底の見えない深くて暗いとこを覗いてるみたいで、ちょっとびっくりしちゃって…」


気まずそうに頬を掻く。


「オーラの相性というやつか。

シャルとは相性が悪いようだが、フェイはそうでもなさそうだな」


「当然ね。

ワタシのオーラも似たようなものよ。

それをもと重くしたのがリアのソレね」