【HUNTER×HUNTER】漆黒人形〜ドールな薬師〜
第2章 試しの門
翌日、部屋に差し込んだ朝日が眩しくて目を覚ました。
昨日は結局あのまま寝てしまったのか。
と、瓶が並んでいる机を見て苦笑する。
「昨日はありがとう」
未だ目を覚まさぬイトの肌を撫でる。
するとパシッと尻尾で手を叩かれた。
照れ屋なのか無意識なのか。
「湯浴みして来ますね」
そう呟き、布団から身体を起こした。
冷たい水を頭から浴びると、どんどん目が冴えて行く。
軽く水を浴び終えると、湯船に浸かることなく上がった。
「もう行くのか?」
身体の水気を拭い、着物を着ているとイトが欠伸を噛み殺しながら尋ねた。
「ええ」
あそこはすぐには返してくれないから。
「準備はよろしいですか?」
「あぁ、いつでも大丈夫だ」
「では参りましょうか」
髪にクシを通し終えると刀を背負い、完成した薬を箱に入れ、宿をあとにした。