【HUNTER×HUNTER】漆黒人形〜ドールな薬師〜
第2章 試しの門
「出来た…」
全ての薬を作り終えた頃には、日が沈み辺りは真っ暗になっていた。
「今何時…?」
時計を探そうと立ち上がるが。
「うっ…」
脚に力が入らず、脳をグラグラと揺らしながらそのまま宙を舞った。
「深夜の1時だ」
床とぶつかる寸前のところでイトが尻尾で私の身体を支えてくれる。
「ありがとう…」
「今日はもう疲労回復薬でも飲んで休むことだな。
薬は明日届ければ良い」
「そうします」
慣れた手つきで疲労回復薬を具現化し、喉に流し込む。
1度作った薬ならば、在庫がある限り具現化することが可能なのだ。
勿論しまうことも可能である。
「全く…世話の焼ける」
集中するといつもこれだ。
周りが見えなくなる。
オレが止めるか自分が倒れるまでやり続ける。
イトがリアの首筋に優しく牙を立てると、リアは静かに目を閉じた。
「オレの牙がコレだから良かったものだ」
イトの牙には睡眠薬と同等なものが備わっており、今はそれをリアへと送ったのだ。
そのまま布団へと運び丁寧に寝かせると、自分もその傍でとぐろを巻き、眠りについた。