【HUNTER×HUNTER】漆黒人形〜ドールな薬師〜
第14章 得意なこと
「勘…ですかね」
「ふーん、やっぱ凄ぇな」
猫目に少し期待の色を含ませながら言った。
「尾行は誰に習ったんです?
気配の絶ち方、あれは自己流ですか?」
疑問が次々と浮かんで来る。
「誰って…兄貴だよ。
仕事の関係上ね」
仕事=暗殺ね。
「今度はこっちの質問ね。
あんた何者?」
視線が鋭いものへと変わる。
切り替えの早さは申し分なし。
「ただの薬師ですよ」
「ひょっとしてあんたが魔薬師?」
「え?」
「うちで使ってる薬全部魔薬なんだよね。
毎日毒と拷問薬を少量盛られてるよ」
こんな子供に私の薬を…。
少量といえどあんな強い薬を。
「ええ、そうです」
だからあなたの瞳にはなんの色も写っていないのですか?
希望も、喜びも、悲しみも、不安も、恐怖も、怒りも…何もない。
退屈しか写さない瞳。
「あんたはさ…。
友達とか、仲間とか…居んの?」
「友達は居ません。
仲間は最近出来ました」