【HUNTER×HUNTER】漆黒人形〜ドールな薬師〜
第14章 得意なこと
「そこで取り返しのつかんことになる前に何を考えているか知っておく必要がある」
ここでようやく私に視線を向けた。
「薬の依頼ということですか?」
「簡単に言えばそうなるな」
「分かりました」
「あぁ。
日は改めて連絡する。
今日はもう帰って良いぞ」
「ええ」
「イルミ、送ってやれ」
「1人で大丈夫です」
送迎を断って1人で屋敷をあとにする。
「…人のことを尾行して楽しいですか?」
アジトへ帰る途中、ククルーマウンテンの中腹で茂みに向かって声を発する。
まるで絶を使っているみたいに気配が消えている。
音もほとんど聞こえない。
流石としか言いようがない。
「手を出すつもりはありません」
戦う意思がないということを示す為に両手を頭の辺りまで持って来た。
円を使えば早いけど、変に勘繰られても面倒だから。
「なんで分かったの?」
斜め後ろの茂みから銀髪の少年が顔を出した。