【HUNTER×HUNTER】漆黒人形〜ドールな薬師〜
第14章 得意なこと
巨大な部屋の前に着くとノックもなくドアを開けた。
「連れて来たよ」
無表情に告げる。
「あぁ」
部屋の主はそう短く頷くだけだった。
「じゃあ俺は戻るね」
興味ないし、と踵を返した。
「いや、待てイルミ。
お前にも関係がある」
シルバさんがイルミさんを呼び止めたのだ。
「とりあえず2人共中に入れ。
キルに聞かれてはマズイ」
シルバさんは “ キル ” という言葉を使えば、イルミさんが大人しくなることを知っている。
普段から大人しいけど。
「キル関係なの?」
キル、と呼ばれる人とはまだ会ったことがない。
「そうだとも言えるし、そうじゃないとも言える」
扉が閉まると同時に言う。
煮え切らない言葉だった。
「はぐらかさないでよね」
最初に釘を刺す。
「最近キルの様子が少し変なのは知っているな?」
イルミさんに向かって尋ねる。
「うん。
ここのところ仕事に嫌気が差してるみたいだし」
仕事…殺しか。