第13章 表か裏か

行き場を失くしたシャルの視線が宙を舞い、そして自身の足元へと行き着いた。


「リア。

嫌なら引っ叩いたって良いんだからな。

団員 “ 同士 ” のマジ切れはご法度だけどさ、要するに同士じゃなきゃ良い訳だ。

リアが一方的にやっちまえば良いんだから」


ガッとマチさんに両肩を掴まれる。


「なんかあったらアタシに言いな。

アンタの代わりにやってあげるから」


と、不敵に笑う。


「え、ええ」


その気迫に押されて首を縦に振る。


「マチ、急にどうしたぁ？」


珍しいものでも見るような目でマチさんを見るノブナガさん。


「別に、どうもしないよ。

ただアタシは手の早いヤツが嫌いなだけだよ」


「ちょ、誤解だって！

確かに抱きしめたは抱きしめたけど、別にやましい心があった訳じゃ」


「じゃあどんな理由があったって言うのさ。

女の子抱きしめといて」


「あ、安心させる為？」


「アタシに聞くな」


益々ヒートアップしてしまいそうな雰囲気。