第13章 表か裏か

シャルが助けて、という目を周りに向けているにも関わらず皆一貫して無視をつき通した。


「揉めたらコインでしょ？

マチが勝ったらシャルを1回殴っていいよ。

シャルが勝ったらこの話はここで終わり。

それで良い？」


緊迫した空気でも変わらず話しかけられるのはシズクさんだ。


「…いいよ」


「俺外したら殴られるの？マチに」


「はいはーい、じゃあやるね」


と、シャルの言葉を遮りコインを弾いた。


「どっちにする？」


「…裏」


「じゃあ俺は表」


ゴクリ…とシャルが唾を飲んだ。


「あ、表だよ」


「チッ…」


「良かったぁ…」


対象的な反応を示す2人。




仲良いんですね、皆さんは。


ほんの少しだけ…そんな仲間が居ることを羨ましく思う自分が居た。