【HUNTER×HUNTER】漆黒人形〜ドールな薬師〜
第12章 蜘蛛へようこそ
「その話はあとででも良いか?
とりあえず皆聞いてくれ」
クロロさんの言葉と共に辺りは静まった。
この空気…緊張する。
「新しい団員に迎えようと思う」
そこで区切ると視線を私に向けた。
「リアです」
軽く頭を下げる。
「新しい?でも欠員なんてねーぞ」
眉間に深くシワを刻んだ金髪の男性が疑問を投げた。
「問題ない」
「いやいや、あるだろ!」
和服に身を包んだチョンマゲの男性が言った。
「番号のない団員、面白そうだろ。
とりあえず紹介しよう。
リアから話せるか?」
話せるか、とは能力のことまでかな。
コクリと頷いてから口を開いた。
「名前はリアと言います。
特質系で、具現化した薬草を自らのオーラと混ぜて薬を作る能力です」
「世間では魔薬師と呼ばれる程の腕前だ。
実際ここに来たのはリアの薬の力でもある」
「そういうこと。
最初仲間にするって聞いた時は俺もびっくりしたよ。
なんにも相談なく決めちゃうんだもん。
でも実力は本物だよ、それは保証する」
本当の実力なんてまだ見せていないけど。