【HUNTER×HUNTER】漆黒人形〜ドールな薬師〜
第11章 勧誘
「俺は仲間を、リアを裏切らない。
これは誓ったって良い。
もし俺がこれを破ったのなら、俺のことを殺して良いから」
拒否しているにも関わらず、すんなりと抱き込まれてしまった。
トクトクという少し早めだが穏やかな音と温もり。
「…1つだけ、約束してくれるのなら…」
消え入りそうな声で紡ぎ出した。
「言ってみろ」
「…私から何も奪わないでください。
私は決して何も望みません、ワガママも言いません。
ですから…」
私から何も奪わないで…!
「当然だ。
それは前提条件の1つであり、絶対条件だからな。
だが1つ大きな間違いがある。
望んでも、ワガママを言っても良い。
そこだけだ」
「俺らは仲間からは何も奪わないよ。
これは例え何があっても変わらない」
「…お願いします…」
平静を装おうとしても、無意識に声が震えた。
「決まりだな。
一緒にアジトに来い、仲間を紹介する。
シャル、いつまでそうしてるつもりだ?」
「え?あ、ごめんっ」
「いえ」