【HUNTER×HUNTER】漆黒人形〜ドールな薬師〜
第11章 勧誘
両手で肩を抱き、小刻みに震えている。
「過去に何かあったな。
だがまぁ、深追いするのは好ましくない。
不用意に傷つけたくはないからな」
勘の良いクロロさんはすぐに察したようだ。
「選ぶのは自由だ。
断ったからといって何をする訳でもない」
「…」
黙って耳を傾ける。
今の私にはそれが限界だ。
「ただ勘違いはするな。
俺はリアを利用するつもりは毛頭ない。
仲間に引き入れたいだけだ。
入った以上は裏切りは許さないし、団員同士でのマジ切れも許さない。
それだけは忘れるな」
真っ直ぐ目を見て言ってくれた。
その真っ直ぐな瞳に見つめられて、私の気持ちが揺らぐのが分かる。
「私は…私はもう誰も信じない…」
信じてもどうせまた裏切られる。
傷つくのは…奪われるのはもうウンザリだ。
「信じろとは言わない。
団員同士でも全ての能力を話す必要はない」
「もう1回だけ信じてよ」
シャルの細い指が私の肩に触れる。
「嫌っ」