第2章 風邪っぴきさん
ちょっと待ってて!と言って、チョロ松はたらいを持って二階へと駆け上がって行った。
LINEを寄越してきたおそ松とトド松は元気、カラ松も元気。十四松はずっと寝てるらしいから、多分早く元気になると思う。一番心配なのが一松である。重症と言うのだから、高熱が出てるのかもしれない。
「ごめんごめん!待たせたね…!はい、マスク!」
「ありがとう。あ、母さんがいろいろ持って行けって言われて持ってきたんだけど…ご飯とか入ってるから、一応冷蔵庫に入れておくね」
「え!本当!?ありがとう…!!母さん達、明日まで帰ってこないからさ、本当、ご飯とか助かるよ!!後で、電話掛けてお礼言っておく!」
「別に電話しなくても…あ、水買ってあるからみんなに渡しておいてくれる?私、冷蔵庫に入れてから二階に行くね」
「うん、ありがとう!」
「あ、待って!」
「うん?」
「お粥とか作っとく?」
「あ、さっき作ったんだけどあいつら食べなくてさぁ…後でまた作ろうかと思ってて」
「そっか、じゃあ後で私作るね」
多分、あいつらのことだ、美味しくなくて食べられない〜とか言って駄々こねたんだと思う。
二階へと登って行くチョロ松を見送ってから、冷蔵庫が置いてある台所に移動した。
台所に着くと、お粥らしきものが入った鍋がコンロの上に置いてあった。うん、たしかに食べたくないかも。
そのお粥を見なかったことにして、持ってきたご飯などを冷蔵庫に詰めた。冷蔵庫の中身を見てみると、卵もあるし、まぁ調味料も揃ってると思うから、後でお粥を作ってあげられることが確認できた。
「よーし…二階に行きますか」
すべてを冷蔵庫に詰め終え、持ってきたフルーツがリンゴもあったため、おそ松トド松カラ松には、リンゴを剥き、一松と十四松には食べやすいようにリンゴを摩り下ろした。それらを持って二階へと登った。