第1章 6人の幼馴染がいます。
私の心当たりはドンピシャに当たっていた。6人、松野家、と、言えば。松野家の六つ子、私の同級生である。
私が中学生の頃、こっちに引っ越してきてドキドキで初めて学校に登校していたら、後ろから吹っ飛ばされるように長男、松野おそ松に突進されて転けてしまった…のが出会いになる。
「おい!ちゃんと前見ろよな!?」
「おそ松兄さんが前見てなかったんだろ!?大丈夫ですか!?お怪我とか…」
「おそ松兄さん、女の子に突進とかサイテ〜。あぁ、膝すりむいちゃってるね…絆創膏あげるよ!」
なんて、そのときは主に3人との出会いになるが、他の3人もそのとき居たため、6人に囲まれていたことになる。
とりあえず、同じ顔6つに囲まれて怖かった、と言うのが彼らの第一印象である。
それから、なんやかんやでご近所さんってことがわかり、だんだん仲良くなっていった。
未だ鳴り続けているスマホのロックをとうとう解除し、LINEを開いた。通知、50件。
トド松との個人LINEを開いた。
トド松:お!既読ついた!!
瑠璃:なに松?
トド松:おそ松!!
瑠璃:LINE送ってきすぎ!!うるさい!!
トド松:そうやって〜嬉しいく・せ・に♡
トド松、と名前は表記されているが、LINEを送ってきているのはおそ松だった。松野家でスマホを持っているのはトド松だけ。だからしょっちゅうこのように、トド松以外の松がLINEを送ってきている。
トド松:ちょ!?既読スルーやめて!?
トド松:ごめんって!!!
瑠璃:で?何の用?
トド松:俺ん家来て!!
瑠璃:なんで?
トド松:一緒に遊ぼう!!
瑠璃:他に誰がいるの?おそ松とトド松だけ?
トド松:あと、カラ松とチョロ松と一松と十四松!!
瑠璃:全員じゃん!?いやだよ!!そんなうるさい所行くの!!
トド松:じゃあ、なに松が居なかったらきてくれんの?カラ松?
瑠璃:そういう問題じゃない!!
6人も居たら、というかあの6人が揃ってるなんて騒がしいに違いないのにあの中に飛び込むのは無理に決まっている。しかも、カラ松が一人減ったところであまり変わらない。というか、カラ松は痛い性格をしているだけで、静かな方だから減ったとしてもあまり意味がない。