第3章 弱い俺
あれからおそ松兄さんに、風邪薬を渡されて飲み、銭湯に行きたいと言ったら「駄目に決まってんだろお馬鹿」と言われ、連れて行ってもらえず、仕方なく目を瞑って横になっていたらいつの間にか眠っていたらしい。
目を覚ますと、もう辺りは明るくなっていた。横に長く続く布団を見渡しても、もう誰も寝てはいなかった。
起き上がると、昨日一日中眠っていたせいか、体がミシミシと鳴った。背伸びをすると、ポキポキと背骨がなったが気持ち良い。
頭も痛くないし、体も重くない。多分治った。
布団から出て階段を降り、居間に行くとちょうど他の兄弟がちゃぶ台を囲んで朝飯を食べていた。
「おう一松!おはよ!!」
「一松兄さんおはよー」
「一松兄さん復活ッスカ!?」
「フッ…さすが俺のブラザーだ…治りが早いな…」
「一松、ご飯食べれそう?昨日、瑠璃が作っててくれてさ。チンしてくるけどどうする?」
「…食べる」
「じゃあちょっと待っててね」
兄弟たちが一言ずつ俺に声を掛けてくれたが、いつものことなので熱が下がろうが下がるまいが、大事な会話以外はスルー。
「一松、元気になったっぽいな!!よしよし!!俺の隣へ来い!!兄ちゃんが食べさせてあげよう!!」
チョロ松兄さんが、朝食を持ってきてくれるらしいので座って待っていようと思い、席に座ろうとしたらおそ松兄さんが馬鹿みたいなことを言ってきた。
「何言ってんの気持ち悪い…」
「おそ松兄さんったら、未だに瑠璃のあーんを羨ましがってるんだよ?」
「悔しいから俺が一松にあーんしてやる!!」
「いや、意味わかんないんだけど…」
そういや昨日瑠璃にリンゴを食べさせられたな、なんて遠い昔のようだなと思い出しながら、おそ松兄さんとは真逆に座っているクソ松の隣に座った。
「お!おそ松より俺が一松のマウスにブレイクファーストをインするのが良いのか!!」
「何言ってんのかわかんないよカラ松兄さん」
俺が何も言わなくてもトド松がクソ松にツッコんでくれるから助かる。
「痛!?」
トド松が口なら、俺は行為で示す。