第3章 弱い俺
「…トッティ」
「な〜に?一松兄さ〜ん」
朝食が終わり、みんなそれぞれが動き出しまだ居間に残ってスマホをいじっていたトド松に話しかけた。ちなみに、居間にはトド松と俺だけしかいなかった。
「てか、一松兄さんちゃんと上着着ときな?病み上がりなんだしさ〜」
「トッティもね」
「一松兄さん高熱だったんだから」
と、二人でぐちぐち話していた。違う、そういうことを話したいんじゃなくて。
「トッティ」
「だから何?」
トド松は少し苛立ったのか棘のたった言い方をされたが、話を変えてきたのはトド松の方だ。まぁそこは我慢して。
「…瑠璃にLINEしてほしいんだけど」
「え、また呼ぶの?」
「そうじゃなくて…」
トド松は、瑠璃とLINEをするのは呼び出すときしかしないのだろうか。それとも、よくトド松のスマホを借りて瑠璃と連絡を取るおそ松兄さんが瑠璃を呼び出すためにLINEを使っていて、他の奴らもそういう風に思われているのか。どうでもいいけど、俺はそんなに簡単に誘える奴ではない。
「…瑠璃にお礼言おうと思って」
「あぁ、昨日のね!いいよ〜、はい」
はい、とトド松から差し出されたスマホ。一応操作は知っている。よく、猫のゲームのアプリをさせてもらってるから。
「え…やってくれないの…?」
「いや、自分で送りなよ。お世話になったの一松兄さんなんだからさ〜」
はい、ともう一度言われて差し出されるスマホ。仕方なくトド松のスマホを受け取ると、既に瑠璃とのLINEが表示されていた。
「…」
「恥ずかしがんないでさ!別に読まないし!」
いや、読む気満々だろ。とツッコミたいが、我慢。
何を送ろうか…それはもう決まっていた。先程までずっと考えてたから。
トド松:おはよう
瑠璃:おはよー!何松?
トド松:一松
瑠璃:え!LINEはじめてじゃない!?てか体調大丈夫!?
トド松:うん。おかげさまで
瑠璃:よかった〜!安心安心(^o^)
トド松:昨日ありがとう
「はい、返す」
「はーい、って途中じゃん!?あ、返事きたけどいいの!?ねぇ!?」
「おやすみ」
「寝るの!?」
トド松がしつこく言ってくるけど、あんなの恥ずかしすぎる。あの続きは勝手にトド松がやってくれ。