第2章 風邪っぴきさん
「瑠璃…」
「あ、カラ松どうしたの?しんどくなってきた?」
カラ松がいつもとは違い、カッコつけていない表情で私を見つめていた。
「しんどくはない。むしろ、さっきのリンゴのおかげで元気になってきている」
「そう、それならよかった」
「あのな」
「うん」
カラ松を見ていたら、みるみるとカラ松の顔が真っ赤に染まり上がった。
「え、どうしたの本当に…熱上がってない?」
「あ、ああああのな…!!」
「だからどうしたの…」
「お、俺にも!!あーんをしてほしい…!!」
「……」
いつもより真剣な顔して何かと思えば。こいつもか。
「だから、チョロ松にやってもらって?って言ってるじゃん…」
「はぁ!?だからなんで僕!?」
「そ、そうじゃなくて、俺は瑠璃にだな…!!」
「おそ松兄さ〜ん、カラ松兄さんにやっちゃって」
「はいよー!!カラ松く〜ん、お口あーんっ」
「へぇ!?んむごっ!?」
「カラ松の大切な最後のリンゴ、お兄ちゃんがあーんしてあげる〜」
「んんむぅぅぅぐぐぅ」
カラ松のお皿の上に乗っていた最後のリンゴをおそ松が奪い取り、それをカラ松のお口へ無理やり…。
「カラ松兄さん、僕より先に瑠璃にあーんしてもらうなんて100年早いんだからね」
「ふごぉ……」
口の中にリンゴを詰め込まれ、上手く言葉が発せないのか、もぐもぐもぐもぐと口の中を動かしていた。
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あれから、なんとか一松にすべての摩り下ろしたリンゴを食べ終わらせると、今度は十四松が元気良く起きてきた。
「ふっかぁぁつ!!!…あっ!瑠璃がいる!!瑠璃おはよー!!!」
「おはよ〜十四松、熱はどう?」
「元気モリモリ!!マッスルハッスル!!」
「ならよかった!一応、リンゴ摩り下ろしたんだけど…リンゴ剥いただけの方がよかったね。ちょっと待ってて、剥いてくるから」
十四松にリンゴを剥いて来ようと、立ち上がろうとしたら十四松に腕を掴まれた。
「摩り下ろしたの好きだからそれがいい!!」
「え、いいの?」
「うん!そっちのがいい!!」