第1章 ~第一章~幸せな日常
――数時間後―…
(どうしよう…全然眠れない…)
あのあとジルから呼び出され、行ってみると
"レオから話は聞いたので、今日はもうこのあと予定もないですし、夕食までゆっくりお休み下さい"
と言われた私は自分の部屋へと戻りベッドへ横になっていた。
それからかれこれ数時間…急遽決まった久々の休みが嬉しくて目が冴えてしまい、私はなかなか眠れずにいた。
(せっかくレオとジルが気を利かせてくれたんだし、早く寝なきゃ…)
そう思えば思うほど眠れず、もう何十回目の寝返りを打とうとした瞬間、ゆっくりとドアが開く音がした。
(…誰……?)
不思議に思い、上半身を起こしてドアの方を見つめると、そこには少し驚いた表情をしたレオが立っていた。
レオ「ごめん、起こしちゃったかな…?」
「ううん、あれからなんだか目が冴えてしまって、疲れているのに眠れなくて…」
申し訳なくて思わずレオから目を反らすと、レオが優しい笑みを浮かべながら私のベッドへと腰をかけた。
レオ「それなら俺が添い寝してあげるよ」
「え!?いや、レオも忙しいだろうしいいよ…」
そう言ってほのかに頬を赤らめた私に気に止めることもなく、レオはそっと私をベッドへと押し倒した。
レオ「遠慮しなくていいから、一緒に寝よう?俺がユヅキちゃんが眠るまで抱き締めててあげるから」
そう言って、レオは私のおでこへと優しく口づけを落とした後、ぎゅっと抱き締めてくれた。
(これじゃ恥ずかしくて余計に眠れないよ…!!)
そう思い、鼓動が速くなった私はそっと顔をあげると、そこには赤い瞳に意地悪な笑みを浮かべたレオがいた。
「レオっ…!!私が恥ずかしがるのわかってて…」
レオ「ごめんね、ユヅキちゃん。でも俺も休みになったから、せっかくなら夕食まで一緒にユヅキちゃんと寝ようと思って」
そう言ってレオに優しくポンポンと頭を撫でられた。
(……レオに撫でられるとすごく落ち着く…)
そう思い、心地良さに目を瞑ると私は少しずつ眠りに落ちていった。