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『Dグレ』みんながいるから戦場でも笑っていられる

第6章 孤城の吸血鬼


『嫌』

「さて、行きますよ。」

『だから嫌って言ってるじゃん!!』

「俺らがいるから怖くない怖くなーい」

『誰がいても嫌なもんは嫌なのーーー!!!』

私はアレンやラビに引きずられながらズルズルと吸血鬼がいるという城に向かっている。

『2人は吸血鬼にならないかもしれないけど、私は普通の人間だからぁぁぁぁ!!』

「いや、俺らも人間だって。」

『吸血鬼退治なんて私なんかがいても足でまといになるだけだって!……はっ!?そういうこと?私を囮にするつもりなんだ!!鬼!悪魔!性悪!馬鹿!方向音痴!女の敵!!』

嫌だ。吸血鬼なんぞ見たくも会いたくもなりたくも無い。私は必死で抵抗した。

「女の敵って……俺のこと!?」

ラビが意外そうな顔をする。そうですあなたです。

「……僕は否定しませんが……。違いますよ。囮になんてしません。ただ、君はその間どこで待っているつもりですか?まさか僕達をおいて一人でさっさとリナリー達のところに行くつもりではないですよね?」

ぎくっ!図星をつかれて、私の顔は引きつった。

「へー。そうだったんかー」

『ちっ、違うに決まってるじゃない!!わ、私は……』

「そうですよね!勿論僕達と一緒に来てくれますよね!よかったです。」

『え………あ…… 』

ニコッと微笑むアレン。や………やられた。

「ア、アレンが…黒いさぁ」

私は敗北を理解した。
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