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『Dグレ』みんながいるから戦場でも笑っていられる

第5章 クロス元帥の捜索


「それにしても久しぶりさぁ。リオ」

『そうだねラビ。相変わらず元気そうで』

私は久しぶりに会ったラビと話しこんでいた。飄々とした性格で、ブックマンJrと呼ばれるラビは物知りでいつも色々なことを教えてくれた。

「ユウは元気?」

『最近会ってないけど、相変わらずだよ。』

あの神田のことをユウと呼ぶのはラビだけだ。私は笑った。アレンは列車に乗り込んでから、ラビが書いた落書きを消しにトイレへと行き、リナリーもいつの間にか姿を消していた。

「おっ、次の駅に停車するみたいだ。腹も減ったし、何か買うとするか」

『賛成。』

私たちは列車を降り、別れて食べ物を買った。ふと私の分にしては随分と多く買ってしまったことに気づいた。

『………あ……このパン……ベンが好きだった……』

気づけば私は、ベンやラックの好きなものばかり買っていた。そう言えば、任務から帰ってくる時、二人の好きなものを買ってからホームに帰ってきていた。もうこれは私の癖になっていたようだ。

「リオー?どうしたさぁ?」

ラビが私の肩を叩く。私がパンをずっと見ているのことに不思議に思ったのだろう。

『…………ごめっ……何でもない』

私は顔を隠しながらラビから離れようとする。しかし、私の手をラビが掴んだ。

『…ラビ…汽車がでちゃ……』

「まだあと十二分ある。それよか、そんな顔で何でもないってわけないだろ?」

『……………ほんと何でも………』

ラビは私の手を強く引っぱり自分の方へ引き寄せた。

「リオの様子がおかしいってこと、リナリーも俺も気づいてる。話してどうにかなるわけじゃねぇけど、話せよ。俺ら仲間だろ。」

仲間。その言葉が私の心に染み渡った。彼はイノセンスを持たない私を仲間だと言ってくれた。私の口は自然と開いた。

『……………ベンとラックが……死んだの。私守られてばっかで何も出来なかった。ベンが命をかけて庇ったエクソシスト様を守ることもできなかった。イノセンスを持たない私が生きててもなんの意味も持たないのに。それにね、私だけ傷がないの。みんな腕を切られたり、お腹に穴空いたりしてるのに私だけ無傷なの。今考えたら、ベンやラック、私に危険なことさせないようにしてくれてた。なのに、私っ、私………彼らにお礼も言ってない!!』
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