第5章 クロス元帥の捜索
次の乗り換え列車では、数十分の空いた時間があった。私はその間、班長に電話した。
「「リオッ!大丈夫か?気分は?体調は?」」
「おめぇーら静かにしろ!聞こえねぇだろ!!」
何人ものの声が一斉に聞こえてきたので、一瞬耳がキーンとなった。
『…………大丈夫。心配かけてごめんなさい。みんなは元気?』
班長がため息をつくのが聞こえる。最後に会ったのは、ついこの間のはずなのに随分あっていないと感じる。
「ああ。こっちは元気だ。有り余ってるくらい。これはあと何徹か出来るだろう。」
遠くで班長の鬼やら聞こえてくる。私は思わず笑った。
「…何かあったらかけてこいよ。」
『……うん』
「何もなくてもかけて来いよな!」
タップの声が聞こえた。
『……うん。』
「俺らはお前らの帰り待ってるからな!!」
ジョニーの声。他にも何人か聞こえる。私は何度も頷いた。
『ありがとうみんな』
「……ああ。早く元帥見つけて帰ってこい。お前がいないと仕事がはかどらないって言ってる馬鹿どもがいるからな。」
『うん。分かった。』
「みんな早く乗って!これ逃すと明日まで汽車ないんだから!!」
もうそんな時間か。リナリーの怒った声が聞こえた。
『あ、ごめん!きるね。みんなありがとう。いってきます。』
「「いってらっしゃい!リオ」」
私は微笑んで、電話を切り急いで列車へと乗り込んだ。