第5章 クロス元帥の捜索
そして再び目を開けると、私は今回あったことを細かく室長に報告した。そしてポーチの中に無事イノセンスがあったことに安堵し、室長にそれを渡した。
そして再び目を開けた時、私は室長の膝の上にいた。右を向くとリナリーや、アレン、それにラビの姿もあった。
「リオ!大丈夫?気分は悪くない?」
リナリーが私の体をペタペタと触った。私は自分の状況を察するのに時間がかかった。
『……………!?!?なっ、なんでっ、室長の膝の上にっ!?』
慌てて降りようとするが、室長ががっちりホールドしていて、中々困難を極めた。
「中々目を覚ます気配が無かったからねっ!僕がここまでお姫様抱っこして連れてきたんだよ」
私にぐーっとする室長。………訳がわかりません。
『え?えっ?』
…………ん?ということは……ここにいる全員に寝顔を見られていたということ!?は、恥ずかしい。
「お、おはようございますリオ」
まるで何事も無いかのように私に話しかけるアレン。よく見ると左目がおかしい。
『アレン?その左目は………』
「アレンくんの左目は2、3日で治るそうだよ。さっき話したことはリオには伝えてあるから。よいしょっと。それじゃ」
室長は私をようやく下ろすと列車を降りようとした。
「あ、忘れてた。リオ。リーバーくんたちが心配していたから電話してあげてね。じゃ」
室長は列車から降り、私はそれをぼんやりとみおくった。