第4章 不可解な夢と自分の力
不思議な夢を見た。
暗い場所を私は歩いていた。あたりを見渡しても何も見えず、怖かったので私は歩き続けた。すると、洞窟だったようで私はホッとして、走って洞窟を抜けた。しかし、洞窟にいたほうがまだましだったことに気づく。
外は雪が降っていた。月は出ていないが、ぼんやりと明かりがさしていた。周りの建物は原型を留めている物はなく、さらに先へと歩くと大きな湖があった。
『…………凍っている』
やけに喉が乾いたので、水を飲もうとしたが湖は凍っており、叩いても割れなかった。
『…………桜?』
そして、湖の真ん中には桜が綺麗に咲いていた。周りは壊れているものばかりだったが、その桜を見ると何故か安堵した。私はその桜にある気だそうとした。
「……ォ」
不意に名前を呼ばれた気がした。しかしあたりを見渡しても誰もいない。気のせいかとある気だそうとするとまた呼ばれる。私はイライラした。私は早く桜の方へ行きたいのに、邪魔をしないでくれと。
「…………ォ」
『誰!?』
我慢出来ずに叫んだ。姿も現さず卑怯だと思った。
「ワタシダヨ?」
下を見ると、氷の湖にいたのは幼い頃の私そのものだった。
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『はっ!?』
飛び起きて、やっとあれが夢だということが分かった。寝起きは悪く、やけにムカムカした。汗はびっしょりとかいていた。私は汗を拭き、水を飲んだ。喉は焼けるように痛かった。
「おー、今から起こしに行こうと思ってたんだ…って、お前寝る前よりも顔色悪いぞ?」
『変な夢見た。』
「早く起こしてやったが良かったな。」
『大丈夫。すっきりはしたから。』
寝顔見られるのはやはり恥ずかしい。
「もう着くぞ。」
『うん。』
私たちは駅に降り、すぐ近くの待ち合わせ場所へと歩いた。