第4章 不可解な夢と自分の力
『ラック。大丈夫?』
「ああ。……やれるなら最初からやっとけよあのブタ野郎。」
まだまだ余裕そうだ。私たちはまだアクマを踏み潰しているエクソシストを無理やり連れて、まだ起きていないもう1人の女の人の元に向かった。
『……いない?』
女の人はいなくなっていた。それに数人のファインダーも。私がラックを見ると、眉間にシワを寄せて何かを考えていた。
「フン。大方イノセンスにでもやられたか。」
エクソシストが自分の手柄のように笑った。
「リオッ!怪我はないか?」
スーマンが息を乱して、こちらへ走ってきた。私は頷いた。
『スーマンがいてくれて助かったよ。無茶なお願いきいてくれてありがとう。』
「いや。無事で何よりだ。」
私はスーマンに笑いかけると、ベンとラックに聞いた。
『結局元帥いらっしゃらなかったね。』
「ああ。なにかトラブルがあって、先に落ち合い場所の方に向かっているのかもしれない。時間は明日の正午だからな、行ってみよう。」
「ああ。
……スーマン殿はこの後どうされるおつもりですか?本部へと戻られますか?」
「………俺は……」
スーマンがいう前に、私はがしっとスーマンの腕を掴んだ。スーマンが驚いた顔をする。
『任務は数日スーマンには入っていなかった。だから、帰るのは明日でもいいんじゃない?ね!』
「………リオ。」
ラックが怖い顔で睨んだが、私は明後日の方を向いた。
「いいのかい?」
今度スーマンに会ったら、ジョニーに勝つ秘訣でも教えてもらおうかと思っていた。だからこれはチャンスだと思った。私は大きく頷いた。
「じゃあ、言葉に甘えようか。すまないな。」
「………いえ、こちらこそ申し訳ない。今後こんなことがないようにしっかりとしつけておきますので。」
…………私死んだかもしれない。