第4章 不可解な夢と自分の力
アクマはレベル2。ベンは軽口叩いていたけど、エクソシストでもヤバイ相手。ちらっとそちらを見ると、殆どラックが戦っていて、エクソシストは女がアクマがだったことに呆然としていた。
「何してんだあいつ!?」
「お前ら、エクソシストじゃないくせにやるなぁ」
アクマが余裕の表情でニヤニヤしながら言った。
「リオ、ここは俺が引き受けた。お前はあのクソ役に立たねぇエクソシスト様に喝入れてこい!!」
『ラジャ!』
私は素早くその場から離れた。そして、ラックたちの元へ行こうと走ったが、ふと橋の近くに神隠しにあった人々が倒れているのに気づいた。………そう言えば、私たちの前にこれを担当していたファインダーとエクソシストが行方不明となっていた。だったら!
私は神隠しにあった人々の中からエクソシストを探し始めた。
『………いた!ごめん!おーきーてー!』
仰向けになって気絶している男の人を揺さぶった。
「………うっ………リオ?」
『スーマン!?』
そのエクソシストとは顔見知りだった。彼はアレンと同じ寄生型のイノセンスを持つ、スーマン・ダーク。チェスが上手で、ジョニーとの対戦をよく観戦したりしていた。知り合いでよかったと私はほっとした。
『スーマン!アクマに襲われているの!エクソシストが足り無くて、レベル2なの!助けて!』
スーマンは一瞬戸惑ったが、私の目を見て頷いた。
『川のそばにいるアクマをお願い。ベンが今足止めしているはずだから。』
「分かった。気をつけろよ」
スーマンは右手の手袋を外してそちらへと向かった。私はエクソシストのほうへとむかった。
『エクソシスト様!!アクマです!イノセンスを発動なさって下さい!!』
エクソシストはぶつぶつと何かを言っていたが、それを聞く暇は私たちにはない。
『死にたくなければ戦え!!』
私は胸ぐらを掴んで怒鳴った。エクソシストは驚いた顔をしたが、顔を真っ青にしてヨロヨロと立ち上がった。
『行きますよ!!』
私は彼の手を引っ張って、ラックの所へと行った。ラックは怪我こそしていなかったが、体力は消耗していた。
『ラック!!』
「あら!腰抜けが来たわよ。」
「だっ、誰が腰抜けだ!!」
顔を真っ赤にしたエクソシストによって、そのアクマは粉々になった。